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最終更新:2000年10月18日

「フォン・ブルーフ」師団 編成表

フォン・ブルーフ師団 Division von Broich 
 1942年11月8日、連合軍が北西アフリカへ上陸しエジプトから撤退中のアフリカ機甲軍はその背後を脅かされる状況となっていました。西から迫る連合軍を阻止するため、ドイツ軍はチュニジアに防衛線を構築すべく11月14日にネーリング将軍の第90軍団を編成して第5降下猟兵連隊の第1大隊と第3大隊、南方軍総司令官護衛第3中隊など、ともかく手持ちの兵力を次々と投入しました。 
 1942年11月18日、そのようにしてチュニジアに送られた様々な独立部隊の上級司令部として師団司令部が設置され、指揮官のフォン・ブルーフ大佐(43年1月1日付で少将に昇進)の名前からこの師団は「フォン・ブルーフ師団」と命名されました。
 中隊レベルの編成、装備はわかりませんが、わかりしだいアップロードしていきます。
※この資料は「のりっく」さんよりご提供いただいた資料で作成しました。「のりっく」さん、ありがとうございます。
師団司令部     42年11月18日設置
降下猟兵連隊 第1大隊 第1中隊  
(バレンティン連隊)    第2中隊   
    第3中隊   
    第4中隊   
  第2大隊 第5中隊   
    第6中隊   
    第7中隊   
    第8中隊  
  第3大隊(戦車猟兵大隊) 第1中隊 中隊名称不明
    第2中隊 中隊名称不明
    第3中隊 中隊名称不明
 歩兵大隊T3   第1中隊(自動車化)  
 (アラブ人義勇兵)   第2中隊(自動車化)  
    第3中隊(自動車化)  
    第4機関銃中隊(自動車化)  
 第2自動車化砲兵連隊   第4中隊  
    第12中隊  
自動車化偵察中隊      
第11降下工兵大隊      
第190装甲通信大隊      
第10ベルサリエーリ連隊      
  第16歩兵大隊 第1中隊  
    第2中隊  
    第3中隊  
  第34歩兵大隊 第4中隊  
    第5中隊  
    第6中隊  
  第63歩兵大隊 第7中隊(対空砲中隊)  
    第8中隊(迫撃砲中隊)  
    第9中隊(機関銃中隊)  
    空軍対空砲小隊  
    オートバイ伝令小隊  
    通信小隊  
    修理工場小隊  
第215修理工場小隊      
       
補足説明 -------------------------------------------------------------------------------- 
 この編成表は「Uniforms,Organization and History of the Afrikakorps」(Roger James 
Bender 1973)をもとにしています。「ロンメル戦車軍団DAK」(文林堂 1992)の編成表
もこの資料が基本となっているようです。 
「コマンドマガジン日本版26号」(国際通信社)によると第10ベルサリエーリ連隊は第
34、第56、第63の3個大隊で編成されたことになっています。「ベルサリエーリ」は
イタリア軍の中では精鋭部隊で、つまり「普通に使える部隊」でありました。(笑) 
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補足(1999.10.20) 
 「von Broich」の読み方は今まで「フォン・ブロイヒ」とされてきましたが、「グランド
パワー1997年7月号」で北村裕司氏は、第10戦車師団史によると「フォン・ブルーフ」
が正しい読み方であるとしています。
12月末の時点で師団にはビゼルタでフランス軍より捕獲した火砲を装備した砲兵部隊が
あったよですが、残念ながら詳細は不明です。
また第10戦車師団長のフィッシャー中将が戦死した日付は2月5日と思っていました
が、北村氏はこの資料で2月1日が正しいとしています。 
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 1943年2月1日、第10戦車師団のフィッシャー中将が戦死したため、フォン・ブ
ルーフ少将はその後任として第10戦車師団の師団長として転出し、2月7日付けで新師
団長としてフォン・マントイフェル少将が就任しました。 
これに伴い、師団の名称も「フォン・マントイフェル師団」と改称しました。 
1943年2月26日から3月15日にかけての攻撃作戦「牡牛の頭」には師団の一部、
第10ベルサリエーリ連隊と降下猟兵部隊が参加していますが、寄せ集めの師団の中にあ
って結局頼りになるのは、この2つの部隊だけというのが実情だったようです。 
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